蓮實重彦の検索結果
第2回Bibliothèque文明講座 『東京から 現代アメリカ映画談義──イーストウッド、スピルバーグ、タランティーノ』刊行記念 黒沢清×蓮實重彦トークショー イベント内容:現代日本映画のトップを走る黒沢清監督と、映画の「現在」を見続けている蓮實重彦氏のお2人に、「アメリカ映画」についてとことん…
万田邦敏著『再履修 とっても恥ずかしゼミナール』(港の人刊) 万田邦敏の批評集は「恥ずかしさ」を主題に書かれた点で、本当に希有で啓発的な書物だと思う。万田のいう「恥ずかしさ」とは、1970年代に「新人類」と呼ばれた同世代のパロディ感覚やシラケの感覚とは、無関係ではないけれども、しかし似て非なるも…
第1部 1-1 ヌーヴェルヴァーグの季節に撮影所へ入る ──東映の撮影所に入られたときの雰囲気っていうのはどういう感じがしましたか。 内藤:あれは、1959年。うん昭和34年の4月からだった。とにかく、京都はこわいっていうふうには思ってたね。まぁ時代劇はあんまり性に合わないと思ってた。どうせフィク…
1. 消しゴムの無関心 2002年に39歳の若さで死去したエッセイスト兼消しゴム版画家ナンシー関の作品を、改めて年代順に辿ってみると、印象として、後期になるほど特に彼女の消しゴム版画からは、それだけで完結して笑いを喚起しようという意志が希薄になっていくように思われる。キャリアを経るごとに描線は繊…
久闊と追悼 Going into Albert's by the lake brings back a lot of memories... (湖畔のレストラン「アルバート」に行くのは久しぶりである)*1 それはまるで友との語らいのように始まる。シアトルに住んでいたとき、ぼくはよくそこに食べに行っ…
「世界映画史でもっとも貴重な映画作家の一人でありながら、フランス本国でさえ、今日にいたるも、ジャック・ベッケルを無条件に擁護しつくした者は誰もいない」[*1]──そう始まる蓮實重彦氏の檄文はいささかの誇張も含んではいない。映画史は、このベッケルをまえにして「無意識の自己規制」に陥り、たえず言いよ…
1.窃盗とサスペンス 泥棒には、窃盗と強盗の2種類がある。窃盗とは、相手に見つからないように何ものかを盗み出す行為であるが、強盗は、その過程で暴力行為を伴わせる。どちらも盗みである点は同じだが、しかし映画メディアのなかで表現されたとき、両者の間には決定的な違いが生じる。端的に述べて、強盗はアクショ…
English 1. Introduction ──泥棒は、アメリカのジャンル映画、フィルム・ノワールや犯罪映画において中心的な人物像でありつづけています。そしてある意味では、ジャンル映画と泥棒の間には本質的な繋がりがあるのだと思います。つまり、ジャンル映画には、ある種のパターンとキャラクターの反復…
en français 成瀬巳喜男生誕100周年記念として東京国立近代美術館フィルムセンターで開催された全61本のレトロスペクティヴ(2005年9月〜10月)から1年、今回パリ日本文化会館(MCJP: Maison de la Culture du Japon à Paris)によって彼の31本…
7.作り手たちへの恋文 8.映画と社会 9.50年越しの復讐 7. 作り手たちへの恋文 蓮實:映画評論家としての私が具体的にどんなことをやってきたのか、それをあまり深く考えたことはなかったのですが、先日刊行された『映画の呼吸──澤井信一郎の映画作法』を読んでいて気づいたことがあります。要するに、私…
5.批評家の才能 6.フィクションについて 5.批評家の才能 ──今後も新作映画について発言しようという意志を先生はまだお持ちであるとお見受けしたのですが。 蓮實:1本の作品をそれにふさわしく評価し、最低2400字でレヴューを書くとなると少なくとも2度は見なければならないし、ときには1回しか見られ…
──Colloque international pour le centenaire de la naissance du cinéaste français Jacques Becker ベッケルの旗のもとに 世界映画史でもっとも貴重な映画作家の一人でありながら、フランス本国でさえ、今日にい…
【10/24 火曜日】 今日は六本木ヒルズで開催される「全国映画祭コンベンション──”映画祭の現在”」へ出席する。第1部のシンポジウムでは、「ゆうばり映画祭を考える市民の会」代表の澤田直矢氏、「山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会」事務局長の宮沢啓氏、「あおもり映画祭」実行委員長の川島大史氏、…
デジタルメディアの台頭とともに「あらゆる映画が見られる」ようになったといわれる今日、映画批評はどう変わったのか。その本道はどこに求められるべきか。蓮實重彦氏に聞く。 (インタビュー/構成:三浦哲哉) 目次 1.データベース化の幻想 2.反復する顔、しない顔 3.70年代の映画批評 4.リアルタイ…
今夏逝去したダニエル・シュミット監督(1941年スイス・グリゾン地方生まれ)を悼み、10月から11月にかけていくつかの追悼上映イヴェントが東京で開催される。flowerwildに追悼文を寄せてくれた蓮實重彦氏が参加するアテネ・フランセ文化センターでの上映イヴェントを皮切りに、新文芸坐でのオールナイ…
ドゥルーズ=ガタリは「偉大で革命的なのは、マイナーなものだけである」とカフカについて述べているが、エドガー・G・ウルマーについても同じことが言える。というのも彼らが「マイナー文学」について指摘した3つの特徴、言語の非領域化、直接に政治的なものへの個人の結合、言表行為の集団的組み込み、といったものは…
8月6日土曜から日曜にかけて、スイスの偉大な映画作家、ダニエル・シュミット氏が癌のため亡くなった。享年64歳。シュミット氏は1941年スイスのグリゾン地方生まれ。少年時代から映画に親しみ、やがて1962年にベルリンに移住し、この地でライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、女優のイングリット・カーフェ…
小津安二郎生誕百年を記念して行われた国際シンポジウム「OZU2003」の席上でポルトガルの映画作家ペドロ・コスタは、小津とジャック・ターナーにはどこか精神的に共通するものがあるという謎めいた言葉を呟いてそのスピーチを締めくくる。日本映画というよりは今や世界映画の巨匠である小津と、わが国では『キャッ…
- S・スピルバーグ『リンカーン』──民主主義のカタルシス洋の東西を問わず、権力と映画はウマが合わない。 歴史上、権力が映画を利用しプロパガンダを作れば、ロクな作品ができた試しはないし……
- ジョアン・ペドロ・ロドリゲス レトロスペクティブ3月23日からアテネ・フランセ文化センターと川崎市民ミュージアムで開催。
- K編集長のcinema days vol.6『ギリギリの女たち』(2011年)を見たのは、昨年秋の第24回東京国際映画祭の特別上映「震災を越えて」でのことだった。
- 映画が生まれる場所
──第64回カンヌ映画祭報告[journal]批評家週間の充実等、見所多い今年のカンヌ。 - 無限に拡散する自己「像」を肯定できるのか?
——D・アロノフスキー『ブラック・スワン』[film]ダンサー、ニナの「像」をめぐって - イタリア人による“アンチ・ルネサンス”の賛歌
『四つのいのち』監督ミケランジェロ・フランマルティーノ インタヴュー[interview]老人やぎと木と木炭のサイクルを描く異色作監督。