スピルバーグの検索結果

洋の東西を問わず、権力と映画はウマが合わない。 歴史上、権力が映画を利用しプロパガンダを作れば、ロクな作品ができた試しはないし、逆に映画が権力を中心化して描こうとするとき、作品としての輝きが損なわれてしまうという罠がある。とくに歴史上の権力者を主人公とする、いわゆる伝記映画は、生まれたときから死ぬ…
舩橋 淳
 今年の閉幕セレモニーの冒頭、司会のクリスティン・スコット・トーマスは、「カンヌ映画祭は映画を護る要塞である」というスティーヴン・スピルバーグの言葉を引用した。映像をめぐる技術革新や、情報ネットワーク環境の変化が映画の在り方を大きく変容させつつあることは言うまでも無く、カンヌ映画祭もまた、そうした…
瀬尾尚史
第2回Bibliothèque文明講座 『東京から 現代アメリカ映画談義──イーストウッド、スピルバーグ、タランティーノ』刊行記念 黒沢清×蓮實重彦トークショー イベント内容:現代日本映画のトップを走る黒沢清監督と、映画の「現在」を見続けている蓮實重彦氏のお2人に、「アメリカ映画」についてとことん…
編集部
 ジェームズ・キャメロンの実に12年ぶりの監督作『アバター』は、最先端の3D(立体)映像技術による圧倒的な視覚体験を堪能できる超大作として、昨年末の公開後、世界的な大ヒットを続けている。その勢いは凄まじく、つい先日は、自らの前作『タイタニック』(1997)が保持していた映画史上最高の興行収入記録を…
渡邉大輔
●コスタの言葉  私事で恐縮だが、ニューヨークから日本へ居を移し、もう1年が経った。当初は一時帰国のつもりで、ニューヨークで撮影する次回作の準備が整い次第とんぼ帰りする気概でいたのだが、東京の高密度なシネフィル・コミュニティにいったん触れてしまうと、その刺激に陶酔してしまい自作よりもよほどおもしろ…
舩橋 淳
I 歴史  個人的にお気に入りの女優のひとりであるケイト・ブランシェットを目当てに、デビッド・フィンチャー監督の新作『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』を少々遅ればせながら観た。最初に映画のあらましをざっと確認しておこう。今年度のアカデミー賞にも13部門でノミネートされている話題作なので、ご存知の…
渡邉大輔
長い空白を経てつくられた「インディ・ジョーンズ」シリーズ最新作を前に、一体なぜ今になって新作がつくられる必要があったのかと、思わず首をかしげてしまった。しかし、おそらく最新作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』がつくられた一番の目的は、老いたインディ・ジョーンズに、もう一度光の射す場…
月永理絵
 硫黄島の戦いを描く2部作──『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』が公開されるだいぶ前、日本陣営を描く『硫黄島からの手紙』には日本人の監督が起用されるという噂が流れていた。では一体だれになるものかと、われわれ映画ファンはいろいろな妄想や期待を膨らませていたものだ。『亡国のイージス』(05)を…
三浦哲哉
 デジタルメディアの台頭とともに「あらゆる映画が見られる」ようになったといわれる今日、映画批評はどう変わったのか。その本道はどこに求められるべきか。蓮實重彦氏に聞く。 (インタビュー/構成:三浦哲哉) 目次 1.データベース化の幻想 2.反復する顔、しない顔 3.70年代の映画批評 4.リアルタイ…
インタビュー
 指先に神経を集中してなにがしかのオブジェを操ること、こうした手作業の豊かなヴァリエーションが俳優トム・クルーズのキャリアを彩ってきたことは、そのフィルモグラフィーを一瞥すればあきらかだろう。『ハスラー2』(1986)、『トップ・ガン』(1986)、『カクテル』(1988)、そして『デイズ・オブ・…
三浦哲哉
 映画批評とは何か。それは、大学における映画研究に似てはいても、学問のように制度化された公共性を獲得したことが一度もなければ、欲したことさえないといえるだろう。その一方で、映画というイメージの経験を前にして抽象的な思考を提示するそれは、美学あるいは哲学に似ているともいえる。だが、映画批評における書き…
土田 環
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