J・ベッケル に関連づけられた記事

 「世界映画史でもっとも貴重な映画作家の一人でありながら、フランス本国でさえ、今日にいたるも、ジャック・ベッケルを無条件に擁護しつくした者は誰もいない」[*1]──そう始まる蓮實重彦氏の檄文はいささかの誇張も含んではいない。映画史は、このベッケルをまえにして「無意識の自己規制」に陥り、たえず言いよ…
日本語版 Roberts: There's a sense in which there is no longer an industry. It's no longer possible to just make B-movies in the same way. Everything is su…
日本語版 Kinugasa: In certain films of the 1950s, like "Kiss Me Deadly" and "Pickup on South Street" (1953), we can see a change in what is stolen. Here, …
日本語版 Kinugasa: The thief has been a central figure in films about crime, in the American genre film, and in film noir. In a sense, there is also a lin…
English 9. 単発のジャンル映画──存在しないコンテキスト ロバーツ:もはやインダストリーがないということでしょう。現在では、B級映画を同じやりかたで生産するということはありえません。すべてが大ヒットするように意図されていますから。監督たちは、現在では、ポスト・インダストリー時代のハリウッド…
English 6. 泥棒映画の変遷 ──『キッスで殺せ』や『拾った女』(1953)といった1950年代のある種の映画では、何が盗まれるかに変化がみられます。ここでは何かが盗まれているのですが、それは実体がなく抽象的なもので、見ることさえもできません。『キッスで殺せ』ではおそらく原子爆弾なのでしょう…
English 1. Introduction ──泥棒は、アメリカのジャンル映画、フィルム・ノワールや犯罪映画において中心的な人物像でありつづけています。そしてある意味では、ジャンル映画と泥棒の間には本質的な繋がりがあるのだと思います。つまり、ジャンル映画には、ある種のパターンとキャラクターの反復…
7.作り手たちへの恋文 8.映画と社会 9.50年越しの復讐 7. 作り手たちへの恋文 蓮實:映画評論家としての私が具体的にどんなことをやってきたのか、それをあまり深く考えたことはなかったのですが、先日刊行された『映画の呼吸──澤井信一郎の映画作法』を読んでいて気づいたことがあります。要するに、私…
5.批評家の才能 6.フィクションについて 5.批評家の才能 ──今後も新作映画について発言しようという意志を先生はまだお持ちであるとお見受けしたのですが。 蓮實:1本の作品をそれにふさわしく評価し、最低2400字でレヴューを書くとなると少なくとも2度は見なければならないし、ときには1回しか見られ…
──Colloque international pour le centenaire de la naissance du cinéaste français Jacques Becker ベッケルの旗のもとに  世界映画史でもっとも貴重な映画作家の一人でありながら、フランス本国でさえ、今日にい…
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