“Phantoms of Nabua”
アピチャッポン・ウィーラセタクンの短編 Online Premiere

石橋今日美

 ミュンヘンの美術館「Haus der Kunst」、リバプールの「FACT」 (Centre for Film, Art and Creative Technology)とイギリスのアート系NPO「Animate Projects」がアピチャッポン・ウィーラセタクンに委託した、フィルムとインスタレーションからなるプロジェクト「Primitive」の一部として、最新作の短編“Phantoms of Nabua”が2月18日「Animate Projects」のHP上でオンライン・プレミアとして公開された。20日には「Haus der Kunst」で「Primitive」のインスタレーション、ミュンヘンの映画美術館で、同プロジェクトの一貫である短編“A Letter to Uncle Boonmee”が“Phantoms〜”と同時上映で世界初公開。一連の作品はどれもアピチャポンの故郷、家、思い出と結びついており、“Phantoms〜”はシネアストが足繁く通った、ホームタウンの沼地をめぐって昨年書かかれたテキスト「Wing Rim Beung」(Jogging around the Swamp)の情景と重なる。アジアの国々に特有の蛍光灯特有の青白い光、少年たちと炎に包まれたサッカーボール、リアプロジェクションと燃え上がるスクリーン。光とフォルムが幻惑的に共鳴する本短編は、映画における「見せること」と「語ること」の二項対立を軽やかに超越するアピチャポンのあり方を見事に証明している。

“Phantoms of Nabua”を見ることができる「Animate Projects」のHP
http://www.animateprojects.org/films/by_date/2009/phantoms

22 Feb 2009
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