ダニエル・ユイレ逝去
映画作家ダニエル・ユイレが10月9日から10日にかけて息を引き取った。享年70歳。新作となる『Ces Rencontres avec eux』公開に合わせてフランスに滞在中のことであった。
ダニエル・ユイレは1959年にジャン=マリー・ストローブと結婚し、1962年の『マホルカ=ムフ』以来、「ストローブ=ユイレ」の通称で文字通り二人三脚の映画作りを続ける。妥協を一切排した姿勢から、困難な映画制作の道を余儀なくされるが、ふたりが撮り上げた『アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記』(1967)、『モーゼとアロン』(1975)、『アメリカ(階級関係)』(1983)、『セザンヌ』(1989)等の傑作群は、同時に映画そのものへの極めてラディカルな省察であり、映画人に限らず、同時代の思想家や他分野の創作者たちに与えた影響ははかりしれない。
以下、『リベラシオン』からの抜粋
「(…)彼女がごく若いときから持ち合わせていた気質を語るとき、決まって引き合いに出される(随分と)有名なエピソードがある。彼女はIdec(Fémisの前身)の入学試験のとき、映画作品について分析するテストを憤然として拒否したのだ。猛勉強をしていたにもかかわらず、分析すべく差し出された作品、イブ・アレグレの『Manège』では試験問題に相応しくないというのだ。その50年後も、彼女は反抗と、騒動と、そしてとりわけ暴力のただ中で、同様の激しさを持ち合わせていた。なにしろ『妥協せざる人々』でそう言われていたように、「暴力が君臨するところ、ただ暴力だけが頼みとなる」からである。『妥協せざる人々』はストローブとの共作である。彼との出会いは1954年、そしてそれ以来ふたりが離れることはなかった。
(…)彼女は作品を残している。夫の作品と溶け合った作品。光り輝く雷鳴のとどろきのような作品、その中身、内容が何であったかを考えるにはまだ早すぎる。彼女とともに失われたものについて、少なくとも以下のことはわかている。もはやこの夫婦はいない、死が引き裂いたのだ。双頭の機械はもはや戦うまい。かつて映画の最も高邁な理想のためにわれわれを見張りつけていた獰猛な幻獣、排他的で一途な守護神ドラゴンは、もはや、われわれの後ろめたさを気にかけることはないのだ。さあ、善良な人々よ、安心して眠りたまえ」。
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